終(つい)の信託(しんたく)

「終(つい)の信託(しんたく)」
2012年周防正行監督、を見た。延命治療か、苦しみの終わりか、という選択で、医療行為医に関わった医師が殺人罪に問われたという社会的な事件を背景にしたものである。映画では、患者が克明に日誌をつづっており、そこで、医師に、自身が万が一の時は、先生の判断で、薬の投与で、あの世に行かせてくださいと明記してあった。それでも、医師に対し、罪が問われてしまった。検事は、机を叩いて怒り狂うような場面もある。それは、相手にとって、冷静な思考判断を失わせ、気分を害する以外の何者でもないことは確かではある。もっとも小生のごとく、学問もへったくれもない労働者連中のなかに芋を洗うがごとくの職場生活にあって、作業のことで感情むき出しにされるのとは性質のちがうものか、と思ってみたりもするのだった。「取り調べ」をしたあとで、そのやりとりを、寸分違わず、口述し、書記に文章化させ、その場で、被疑者たる女性医師に、読み上げた上でさしだし、サインを求めるのだが、このあたりなどスゴイと思った。ボクも報告書作成には頭を悩ましたが、重要なことを過不足無く文章にすることがとても難しいことだと思っているから。

千葉日報新聞主催のスピーチコンテストが終わってホッとしていることです。ボクを含めて出場者の8割は常連さんで、お互い顔も人柄もなんとなく分かるものです。わずか3分の発表なのですが、どこかで記憶がぬけないものかとハラハラどきどきで、舞台に臨んだのでした。