第9課(その2)

 第9課(その2)
 這甲長一面用一ケ郷紳的派頭罵娘(この甲長は、一方では田舎紳士風の気炎をあげて罵った)、”【1カ1】汝ケ【女馬】的鬼招待(くそったれたちに、ろくでもない招待をするがの)、総是招待(いつも接待だ)、”一面換青泰西【糸段】馬掛(一方では黒い西洋もののドンスの馬掛けに着替え)、呼人備馬(人に馬の準備をさせ)、呼人為衛門人【1カ1】点心(衛門たちの為に菓子を用意させ)、忙得不亦楽哉(その忙しさといったら、大変なものだった)。大牛伯【口又】了一口気(くもやんは溜め息をつくと)、一人回了家(一人で家にもどった)。
 回到家来他望着邦牛(家に戻るとずっと牛をみていた)、邦牛也望着他(その牛も彼をみていた)、両位真正講了和(二人は本当に仲直りした)、両位似呼都知道這脚不是一天可好的事了(二人ともこの脚が一日やそこらで好くなるべきものではないと、知っているかのようであった)、在自己認錯了(自分で過ちを認めている中で)、大牛伯又小心的反了一回牛脚(くもやんは、又気をつけて又一度牛の脚を持ち上げて)、検査邦傷所(その傷の所を検査した)、用了一此在五月初五掘来的草薬(五月五日に掘ってきた薬草を用いて)【這是平時給人揉鉄打傷的(これは普段人が転んで打った傷に塗るものだった)】、敷在牛脚上(牛の脚に貼り付け)、小心小心把布片包好(気をつけて布片でしっかり包んだ)。小牛像【イ良】【小重】事(小牛はとてもよく分かっているようで)、規規巨巨尽主人処理(おとなしく主人の処理に任せ)、又規規巨巨回牛欄里去睡(それから大人しく囲いの中に戻って眠った)。