第9課(その3)

 第9課(その3)
 晩上聞到牛歯草声音(夜になって牛が草を食む音を聞きつけて)、大牛伯掌了灯照過好凡次(くもやんは、ランプを手に何度も照らしたので)、這牛明白主人是因為ヒ的縁故晩睡的(この牛は主人が自分の為に遅くまで起きているのだということがわかった)。毎偶到大牛伯把一ケ円大的頭同一桟桐油灯従柵欄辺伸進時(くもやんが、大きな丸い頭を、一つの桐油のランプと共に、柵から伸ばす度ごとに)、総【目争】大了眼晴望ヒ主人表示好感(いつも、眼をみはり、自分の主人を望んで好感を表示している。
他従不問ヒ”好了ム?”或”吃号?”邦一類話(くもやんは、これまで牛に「好くなったか?」とか「つらいのか?」といった類の話を問わなかった。)、ヒ也不告他(牛も彼に言わなかった)”這不要緊(大丈夫です、あるいは)”、或”我請汝放心(どうか安心してください)”邦類話(というような話)。他門的相互了解不在言語(彼らの互いの了解は、言語には無かった)、而他門却是真正【イ良】了解的(しかし、かれらは却って本当によく了解しあっていたのだ)。