梅雨もマジか

梅雨もマジかというけれど、
見渡すかぎり雲に覆われた、今の季節は嫌いではない、
ちょっぴりムッとするけど
暑いというほどではない。
ほとんど無風状態の穏やかな静けさが気に入っている
国際サミットも終わったというのに、
利用する首都圏近郊の
ある電車路線では本日も
厳戒態勢が敷かれているのだった
朝の電車では繰り返し
女性スタッフによる放送がなされている

米国映画に、
「欲望と言う名の電車」という名画があるのですが・・
ここは日本版、どこかぴりぴり

朝のラッシュ、車内放送が流れるのだった

他のお客様に迷惑になるような好意は
絶対ならさないよう重ねてお願いいたしますね、と。

サラリーマンに加えて、
ふんわりとしたスカートの女子高校生、
デズニーランドを目指す、子連れの若い母親・・

6月の週末ともなると、
その路線は、どの車両もぎゅうぎゅうづめなのだった。

そんな電車に私は、
生活かせぎのため、
老体にムチうち、今日も出勤せねばならないのだった。
車両に入ってすぐのところに立っていたが、
端っこに近い座席が運よくあいて、すばやくすわった。

隣に座っていたのはデニムの
ぴっちりとしたジーンズに
だぶだぶの白いシャツという
女子大生風の若い女

腰を降ろす際、その腰のあたりに擦れるようにスッと音がした
しかたない、せまいんだし

電車は、船橋法典駅から西船橋駅へ、約5分かかって着いた。
すると、隣にいたサラリーマン風の男が立って、降りていった。
席が空いた
その端っこの席が空くと、
近くに座っている者は、席をずらしてその端っこに移動するのが
暗黙のルールみたいになっているものらしい。
しかし、あくまでルールみたい、なもので
それに従わなければダメだというものでもない。

(そら、移動せよ、そのまま座っていると、若い女性にくっついて座っているスケベじじいと間違えられるぞ)

そんな声がささやいたけど面倒だし、そのまま座っていた。
空いた席が狭いせいか、
混雑にもかかわらず誰も座ろうとしない。
それでもガンとして動こうとしなかった

そこへ放送
電車が混雑してまいります。
お客様にお願いです。他のお客様の迷惑になるような・・
またか・・

やっと、その端に
たそがれとおもわれる女性が座ってくれたのだった。

そうして満員電車は、やっと、デズニーランドのある舞浜にむかって発射したのだった。

本当にこの時期の電車というのは、索漠として
ちょっとしたことでも
ケンカの原因になりそうで、
まさに、
欲望という名の電車なのでありましたとさ。