ツレがうつになりまして

佐々部清監督「ツレがうつになりまして」を見た。
主人公は結婚して間もない、会社員。
全くの初心者に、
電話のサポートとして、
パソコンの利用方法を教えるという仕事をしている。
その職場は、通信技術の変化と共に出現したような仕事で、
時代の影響をもろに受け、
退職していく人が絶えない。
パソコンは、
スイッチ一つで利用できた
テレビ、ラジオ、洗濯機といった
文明の利器とは全くことなるもの。
説明するにも専門用語があふれており、
聞かされる側には、腹を立てる者も少なくないのだった。
ツレ氏は、まさにそうした、
きつい部署で仕事をしている。
クレームをつける側は、いらだちを隠さない客もいる。
相談役として、心の内をみせず、淡々と対応する。
うつと気づかず、辞めて行くスタッフも多い中で、
家族に勧められ、
心療内科を受診したこと自体、ラッキーな主人公とも言える。
メンタルクリニックとして看板を掲げているが、
そうした診療の日常を紹介しているものとしても評価できる。
薬物療法をやっていくが、
一番の効果は、1年かそこら、
休養をすることだとも。
昼から家でごろごろ横になっているのに
ひけめを感じるという夫に、
私なんかいつもそうしているよ、とはなす妻。
日記をつけることを勧められ、
それを実践していく。
「高橋」のタカが、はしごだか、であることにこだわっている。
クレームをつけて来た客にも、
自身の苗字を違えられたことを指摘し、
イラストの仕事をしている妻も、
しつこくハシゴダカの漢字を使用するよう言って顰蹙を買っている。きちょうめんさがあだになった。
しかしうつは、だれでもなりえる、と警告している
ペットの
カメレオンがなかなか効果的。