6課(その3)

6課(その3)
 井目説”小話”、小鳥也永遠走不上人。
(かつまた、「小さな口しかきけないというので」、小鳥も永遠に人に追いつけないとでもいうのか。(口先ですべてが通じると考えるからおかしなことになってしまうのだが・・・)
這此事在大牛伯的見解下(口先ですべてがたりるとするような事に対して、くもやんの見解では)、是不会錯的(あやまるということは有り得ないことであった)。

 在沈黙中他門此才能相互了解、(沈黙の中でこそ彼ら双方はやっと分かり合えるというものなのだが)、
這是一定的(これは確実なことだ)。


如今的大牛伯和他的子牛(今や、くもやんと牛と)、
友情就成立在這種無言中(友情は、この種の無言中に成立していた)。


這時邦牛一句話不説(この時、その牛は一言も言わず)、
也不呻嘆(うめきもせず)、
也不譲痛(苦痛を訴えもせず)、
也不説”清老斧賞一点薬或補凡ケ薬銭(「旦那、どうか少しばかり薬をくださいとか、薬代をくれ」とかは言ったりもしなかった。【如果是人(もしこれが人ならば)、
他必定有這様正当的迂自己有利益的要求(彼はきっとそのようにもっともらしく、自己に有利な要求をしたに違いない)。


這牛開且還不説(この牛はかつまた、次のようなことは言ったりもしなかった)”
我要復讐、非復讐不可”邦様恐喝主人的話語(「我は仕返ししてやる、そうせずにはいられない」などというような主人を恐喝するような話)、
就是態度也欠少這種髣髴切歯的不平(ほかでもなく、態度にさえ、この種の歯ぎしりするような不平を出しはしなかった)。


ヒ只是乃然照老規巨イ故事(牛は只いつものきまりに照らして事をなしていったのだが)、
十分忠実的用力施鍬(充分忠実に力を入れて鋤を引き)、
使土塊翻起(つちくれを掘り起こしていった)。


ヒ嗅着新土的清香気息(かれは、新しい土のすがすがしい香りの発散を嗅いでいた)。


ヒ的努力在別一此方法上主人感到了(牛の努力は別な面でも主人に感服させられていた)。


ヒ努力端着気(牛は努力して息をハアハアさせていたが)、
因為脚良苦痛(かかとの苦痛の為に)、
走時没有平時火便(進むのに平時に比べて勢いがないのだった)、
但ヒ一ケ字不説(しかし、一言もいわなかった)、
ヒ”喘息”却不”又息”(牛は「(がんばって)あえいではいた」が、「(やるきないがゆえの)ためいきはついていなかった」。


到后大牛伯的心完全軟了(そのご、くもやんの気持ちは全く穏やかになってしまった)。
・・重得ヒ一切(牛の一切が納得できたからだった)。
了解ヒ、完全不必頼邦只供聡明人装飾自己的言語(牛を理解するのに、只あの、聡明な人が自己を装飾するのに供する言語に頼る必要は全くなかったのだ)。