整理整頓のすすめ

子供とZ会をやる。
次郎物語」の一節。
 祖父はとても厳格な人である。その祖父が大切にしていた、そろばんの、桁を通す軸が折られていた。三人のこどものうち、次郎に疑いがかけられ、母親に尋問されている場面である。
 ここでは登場しないが、この祖父は道具に関しては几帳面な人で、そろばんの置いてある位置が少しでもずれているだけで、気になってしようがない程であると、述べている。
 
 この文章を読み、就職用の写真の依頼で、駅前の小さな写真店に入ったことを思い出した。
 その店は狭いが、訪れた者が一目瞭然に商品が分かるように整然と陳列がしてある。
 お店として、客がほしがるようなモノを、見やすいところに置くのは当然かもしれないが、個人の部屋もそのようにあるべきだと、学ぶべき事が多かった。

 書斎兼寝室は四畳半なのだが、ここに本箱二つ。押入にも本箱。隠れた部分にもあるので、一目瞭然というわけにはいかない。広い空間の住宅へ引っ越しすれば解決するかもしれないが、そんな金銭的余裕はない。資格の取得に多くの参考書があって、取得後も捨てないでそのままになっていたりするのがよくない。
 一年か二年以上、使わないものは思い切って捨てる覚悟でなければならない。

 「次郎物語」の祖父は、自分の使う道具、すなわちそろばんの位置に対して極めて厳格が過ぎるかのように書かれているけれど、必要なものが、自在に取り出せるようにしておくことは、何をする上でも必須だと考える。
 捨てるのを躊躇ったため、本当に必要なモノがスグに見つからないことが一番いけない。まず、不要なモノをどんどん捨てることである。 余裕があればネットで販売するのも良いかもしれないが、とにかく思い切って捨てるのがよいのだと思う。