中高年の就職

 私の就職したのは、ビルメンテナンス業である。

特に三月末は、官公庁をはじめとする公共事業の入札時期にあたる。
設備・警備・清掃といった部門は、主に「民間委託」(正式な言い方は不明)されていて、これは「競争入札」において決定される。このめやすとして、10円でも安い値段をつけた民間業者に、仕事が行くことが多いようである。
 この仕事に従事していた者たちにとっては、場合によっては大変である。他の業者に仕事をもって行かれることが大いにあり得るからである。しかし多くの場合、居残ってくれるよう懇願されるようだ。ただし、給料は下げられ、未消化の有給休暇などは切り捨てられたりする。何人かの人は職場を去っていく。

 こうした危険があるため、別な言い方をすれば、新たに就職のチャンスもある。

 すなわち、三月は、仕事探しの人にとっては、就職の好機といえる。私の場合が、まさにその時期に仕事がきまったのである。都内のある公共施設。

 年齢制限など無い為、年金生活者には、絶好の就職の機会となっている。

 手取り15万円から20万円となれば、一家を支えて行くには心もとないが、多大な退職金を得て資産的に余裕がある人や、幾ばくかの年金を得ている人には良い待遇と言えるだろう。あるいは、他に収入の道にある人にとってもそうだ。

 定年後、職業訓練校に通って、設備管理に関する資格(ボイラー、電気工事士など)を取得してから、第二の人生として、この業界に入ってくる人が多い。

 私とすればまだ、家族を養う義務もあるので、生活保護世帯よりも低い給料では、やっていけない部分もあるが、無職でいるよりは、マシだと思って採用に応じた次第。

 しかし、色んな個性の強い人が「参入」してくるので、仕事そのものよりも、人間関係をうまく築いてやっていけるかどうか、という不安がある。

 今日はこのへんまで。

 定年になったけれど、少し仕事をしてみたい、と思う方は、先ず、職業訓練校の門をたたいて見られてはいかがですか?