les purapluies de cherbourg

雨に思う(話し方教室にて発表)

 梅雨が近いせいか、雨が多い。天気予報と聞いて、うれしいと思う人は多くはないだろう。電車に乗って、片手に鞄、残りに傘だと、本も読めず、ただ突っ立っているより他ない。こんな時は、雨がイヤだと思う。しかし、雨の日は、心もなんとなく落ち着く。
シェルブールの雨傘」という映画がある。工員の若者は、仕事が終わると、更衣室でスーツに着替える。そうして、社交場に姿を現しては、色々な人々と語り合う。その語り口は、まるで王子様の暮らしをしているかのようだ。無論そういう印象を与えるのは、話し方に劣らず、清潔感あるスーツの着こなしによる影響大である。
 シェルブールはフランスのある街の名前で、かの地は雨が良く降るらしい。鬱陶しい空模様とは対照的に、明るい社交場だ。 私は、大した仕事をしていないので、服装もあまり気を遣うことはない。かといって、スーツがないかというとそうでもなく、買ったまま着ることもないものがタンスに押し込まれたままだ。「シェルブールの雨傘」の青年に見習い、(内気な性格はいかんともしがたいが)服装だけでもちゃんとしたものにしようと思った。