高校野球

昨日は、船橋市民球場に、高校野球を見に行った。出不精の私にとっては、半分は「散歩」のつもりであった。野田線馬込沢駅を出て、地図を頼りに歩いたら意外に早く着いた。というより、市民の森から出ている照明施設、そして歓声で、およその方角の見当はついた。後は、ガードレールのある安全な道路を歩くだけ。
第二試合の市川高校とN高校は4対2だった。いづれも県内では強さにおいて中堅的な所に位置している(と私は思っている)。
投手は両校どちらもよく、制球、速さもなかなかのものであった。応援は、リードしている市川の方に勢いがあった。試合は後半大きな流れの変化もなく、そのまま終わった。
次の試合まで場外に出て、しばし、様子をうかがった。一塁側にN高校、三塁側に市川と応援団、選手達が次々と出てきた。
市川高校側は、主将と思われる選手が、「今日は応援ありがとうございました。次回もよろしくお願いします」と挨拶し、そのまま選手達は球場を去った。応援団も引揚げていった。
しかし、n高校の方は、赤いシャツの応援団が、選手達を取り囲むようにして、まるで時間が止まったかのように球場に居残っていた。その中心では、選手達と何人かの応援の中心的なメンバーとの交流があったようである。腕で顔をこすっている部員も何人か見られた。少し暗い雰囲気に包まれていた。

 別のチームの場合と比較せずにはいられなかった。
 ある高校の場合は、閉店セールの挨拶でもあるかのように、淡々と挨拶していた。顧問も同様だった。破れた事実は動かすことはできないが、応援団を前に、その日のプレーやその思いを「スピーチ」をして笑いさえ誘っている部員さえいた。無論、その日の為に練習を積んで、破れて全てが終わって悔しい思いに沈みそうになっている気持ちは、心のどこかにうずく巻いていたかもしれないが、そんな思いを微塵も感じさせないのは、たいしたものだと思った。

 N高校にも、そんな、かげの舞台を期待もしていたが、部外者は近寄れそうもない、沈痛な雰囲気に終始包まれていた。でも、これが普通かもしれないな、とも感じた。