高校講座

高校講座を時々見ている。
「物理」とか「生物」とか。同じように学習したのだが、成績は物理が得意だった。NHKの番組は、実物中心で分かりやすい。
黒板と先生の説明だけの世界だった高校時代とは異なる。

今日は波の学習だが、ウクレレとギターを用いての音色を聞かせながら、波の概念を紹介している。このような授業は学校ではできにくい。無論、好きな人は、説明だけでどんどんイメージを膨らませることもできるかもしれないが、だれもそのような技量を備えているわけでもない。
学校ではどうだったろう。もう30年以上昔になってしまうが、公式を書いて、簡単な計算問題、場合によっては入試問題まで解いたようだ。

バレー部顧問のS先生が担当していた。頭髪がぼさぼさして、にんじんのように顔が細かった。目がほそくいつもほほえんでいるような感じだった。
授業の方はというと、沢山、黒板に書くので、我々生徒は、まず、これを写し取るので精一杯であった。
覚えていたのは、先生の受験を決めたのが年が明けてで、入試までの2ヶ月間を、平均3時間の睡眠で乗り切ったという受験体験談であった。そうしてなんとか秋田大学に合格。昭和30年代、40年代初期と思われるが、当時は厳しい競争だったかもしれない。
私は、旺文社の問題集を併せてやっており、この中から幾つか先生に質問した。物理学者としても著名な竹内氏が監修したもので、「この問題集以外から出題されてできなかったらそれは他の受験生もできないのだからあきらめなさい」と文化放送ラジオ講座でも言っていた。今にして思えば、難関大学を通過するための受験テクニックの面が否めなかったけれど、あれこれ手を広げず、定評のある問題集をやればなんとか合格はできる、というのは、その後の資格試験においてなんとか役に立った。
NHKのものは、身近なものに例をとっていて、日常生活を豊かにするものだと思ってみている。
不運が重なって仕事は、学歴不問の世界であえいでいるけれど、余暇をギャンブルとか酒だけで過ごすようなこともせず、こうした学習講座に親しんで過ごすのも、受験を経験したおかげかな、と思っている。