ワーキングプア兼零細的資産運用

 作家の渡辺純一氏が、団塊の世代を代表して、新作を創作中であることが記事に載っていた。札幌で外科医をしていたという、異色の作家だが、今回の内容は、こんなものであるという。企業戦士として過酷なノルマをこなしてきた男達が、定年を迎え、次々と退職し始めている。待ち受けていたのは、必ずしも「楽園」と言えるものではなかった。住宅の中で、毎日顔を突き合わす妻は、次第と態度を硬化させていく。それなら、公民館で趣味を生かして、サークル活動かというと、その平等性に、戦士としての誇りが許さない。 結局、「退屈」のノルマをどうやって過ごすべきか迷うようになる、という。
 職業において、常に、「食われる」側として職務を果たしてきた私にしてみれば、十分な年金を受けているだけでも、幸福以外のなにものでもない、と思われるのだが、確かに毎日、茫然自失状態で過ごせば、ぼけやすくなるのは自然の理なのかもしれない。
 私自身は、あと5年かそこらで定年を迎えるが、日雇いと変らない。退職金があるわけでもなし、申請によって雀のなみだ、ほどの年金が入る程度のものだ、それだって、毎月1万円かそこらと言ったものだろう。サラリーマンとしては私は、全くの負け組である。国内に4分の一と言われる年収200万円未満のひとりだ。違うのは、若いときから、資産運用にも関わってきたこと。とはいえ、株式もそうだが、不動産なども、受難の時期だ。そうして、日本の経済が今後、向上することはまず、ない。下降線をたどるなかで、どれだけ損失を少なくするかに、かかっている。私は、不動産において、今、長期滞納者をかかえ、悩みも尽きない。毎月の賃料を、確実に回収していくよう、滞納者とのつき合いの中で何かを学ばなくてはならない。