第一回口頭弁論

 原告として建物明渡等請求事件の裁判が終了した。
提訴したのが昨年12月01日。そして、第一回の口頭弁論が1月19日の今日。和解となった。
 私は、他県に建物を所有し、それを賃貸に出している。借家人の方とは、これまた、数年前の入居当初の滞納続きで、一回目の建物明渡等請求事件でお目にかかっただけである。
 その時は、借家のある方で裁判を行った。
 なんと、一日に数本、二時間に一本程度のバス便しかなく、自家用車のない小生はあせった。
 自分の持ち家を守る為だからしかたがない、と観念したが、それなりのメリットもあった。それは、地方ゆえ、裁判の数が、ほとんどなく、提訴から口頭弁論までの期間も1ヶ月に満たないのだった。
 裁判官と司法委員、そして弁護士、あと書記官、原告に被告と五名だけ。傍聴席には誰も居ない。だいたい、弁護士が調停(和解)を仕切ってくれて、私も、被告の人もほとんど発言はしなかったように思う。
 それゆえ、被告、すなわち、借家人の人柄など、知ることもなかった。
 不動産管理会社を変えることで、きちんと支払ってくれるようになったのだが、昨年になって、二度目の長期滞納。

 六ヶ月目にして、提訴に踏み切った。そして、首都圏の裁判の、なんと繁盛していることか・・。
 水曜日は民事で、朝から15分刻みでぎっしりとスケジュールがある。
 ちなみに、建物明渡請求事件が10件以上はあったようだ。家賃を滞納している人が想像以上に多いようだ。
 前の裁判が終わらなければ、次の裁判に移れない。だから、傍聴席には常に何人かの人がいて、順番待ちの状態。
 順番と前後して、中国人同士の裁判があった。雇用関係のようだったが、そのやりあいがすごかった。
 無論、裁判は、法律のルールに沿った「けんか」なのかもしれないが、彼らは、派手な言い合いを演じて、それを誰も止めることができなかったのである。
 被告がエネルギッシュに言えば、原告も負けずと、やりかえす。嘗ての上司と思われる者に「ばか」「まぬけ」と、片言の日本語で、ののしる。
 すると、「もっと、きれいな言葉つかえ」とやりかえす。こんなやりあいを見ていると、やはり中国人というのは、ちがうんだなあ、とおもってしまう。
 さて、彼らの言い合いに、少し刺激もうけたが、こちらは「葬式」のごとくしめやかに、とんとんと進んだ。
 被告は、滞納分を分割して支払ってくれると宣言してくれたので、それを信じるしかない。
 
 私も、今、仕事をしながら、別な仕事を探しているので、仮に、強制執行となったら、はるか遠方にある借家管轄の地方裁判所とかに足を運ばねばならず、気が重い。
 自由に休みがとれるかどうか・・。
 あるいは、不動産屋に丸ごと頼もうかとも思っている。弁護士に頼むと30万円。不動産屋なら、6万円から7万円くらいでやってもらえるだろうか?
 借家人の方も、困窮していることが察せられた。
 しかし、ボランティアでやっているわけではないので、生活保護を受けて、どこか公営住宅にでも移っていただくしかないと思っている。
 法律にのっとって、シュクシュクと、手続きを進めて行きたい。
 6ヶ月以上の滞納者から、資金を回収するのはほとんど期待できないらしい。
 借家をゴミ箱にされて、出ていってもらえるだけでもヨシとしなくてはならないらしい。
 借家に出して、小銭を稼ごうと考えている方もいるかもしれないが、入居の段階で挫くと、被害は底なし、を覚悟ですな。