転職人生

約4ヶ月間の「失業」
そして、公共施設の設備を受注した、民間会社の更に下請けとして、やっと採用された。
しかし、一ヶ月しかもたなかった。
直接の退社理由は、行動を共にする同僚が「暴力団員風」の口の利き方をすることだった。
 退社してみると、下請けの賃金不払いに遭った。
 当局に仲裁してもらい、数ヶ月遅れてなんとか支払いに応じてもらえた。
 元請け会社からは、1ヶ月以内だったら、いつでも職場復帰に応じるとも言われていた。しかし、行き先を決めた上で、退職を表明していたので、戻ることもなかった。

 その転職先も一年とちょっとで退社することになった。この六月の事である。
在職中は、未曾有の大震災もあった。日々、人間関係に悩まされたことは、前の職場と同じであった。

 「無口」な自分は、それが理由で、同僚の中に、やりこめられてしまう。

 それで、また、同じように、行き先を決めてから、退職を伝えた。
 本部からマネージャーがやってきた。私を採用してくれた人である。
 人間関係が原因なら、他の事業所でやってみないか、と言われた。しかし、すでに別な会社に内定をもらっていたので、応じることもなかった。

 集団で働くからには、どうしても上下関係になりがちであり、そこで、いじめる者といじめられる者と別れてしまう。
残念ながら、自分は後者の立場になってしまった。

 会社に長くいようと思ったら、性格を改造して、強い、たくましい人間になることが必要なのかもしれない。
しかし、敢えて、それをしない。いじめられ、それが続くようになったら、内密に、別の転職先を探し、内定と同時に移動を決め込む。
ともかく「逃げる」。受入れてくれる会社がある限り、いろんな会社を渡り歩く。それが、自分の姿勢である。
争いは嫌だということは、生まれつきだと思っている。

 競争の名の下に、いじめる人間が重宝される社会なのだろうが、それを批判しても、微弱な個人にはどうにもならない。

現在の会社は、まだ、1ヶ月しかならないが、まだ「妖怪」は現れていない。しかし、お眼鏡になかっていなければ、じきに、血相を変えて、何か抗議してくるであろう。
そのときも、迷わず、退職する。それしか、自分には手段がない。

 貯金などは、だから、数年分の生活に困らないようにはしている。