株式好調、50万円の利益出たら?

自民党の安部氏はおっしゃった。紙幣を増発させ、輪転機が壊れるほどに回し続けるのだ、と。この言葉を受けて株価は上昇中である。そして、現在の疲弊した日本で、日経株価一万円突破という奇跡も起きた。ひょっとすると、一万千円も達成しそうである。株式に投資すれば、素人でも、50万円、100万円の利益を出すことは夢ではなくなってきている。まさに現在は、千載一遇のチャンス到来。しかし、次のような理由で、私は成り行きを傍観することにしている。今、50万円の利益が転がり込んだとしよう。ところがその50万円を一体何に使うのか途方にくれるばかりだ。衣食住、それなりに足りているからだ。服は2000円くらいまででほとんどのものがそろう。古い共同住宅は住むのに毎月2万円前後の家賃がかかるが、それほど高額ともいえない。食料は東北の実家から定期的に届くので、ただにちかい。都会に暮らすので自動車などは不要である。50万円もの大金を使うとなると、それをどのように費消するか思案する必要も出てくる。そして、計画に従って50万円を使うとする。そのいずれにも多大な時間も要するだろう。年金生活者や、資産家ならはなしも違ってくるだろうが、一般労働者には、そのような時間さえないのが普通なのである。無論週に二日ほどの休日はあるが、それはあくまでその週の労働における疲れをいやすのに充てられるべきであろう。こき使われている者にとっては、ねそべったり、少しばかりお酒をのんで、ごろごろして休日を過ごす、これも必要過くべからざる時間なのである。もっと重要なことがある。50万円もうかったという感覚だ。これは、精神的なウイルスのように頭脳の中に入りこむ。そして、ストーカ(つきまとい)のごとく、絶えずやってくるのだ。(ほら、仕事をしている場合じゃない、投資、投資だ、と)。たとえば、パソコンで文書を作成しているとき、周りの目を盗んで、インターネットに接続し、株価の動向をみてしまう、というふうに。ビルの管理人のような、給料も少なく、年金生活者の小遣い稼ぎ感覚でやれるような仕事ならいざ、しらず、重厚な職業に従事している人は、たとえ儲かるのが確実であっても、株式には手をだすべきではない。これが私の意見です。ただし、たべておいしい株ならおすすめ。