リホーム店

インタネットであてずっぽうに出たところ、
といっても
近くに、電話して、約束して、部屋をみてもらうことにした。
約束に遅れること20分、
現れたのは60代、
温厚そうな、作業服姿の男性だった。
名刺を渡されると、社長だった。
リホーム店というのは、
どのような仕組みなのか実態は定かではないのだが、
まず、自分の要件を伝えておいた。
無論、電話かメールなどでやりとりして、
できそうもないと分かれば、
それはそれで、済むことなのだが、
「見てみないことには物事は分からない」という感じだった。
ホームページでは、
完成後の立派なキッチンなどが示されているが、
それがいくらか、価格は提示されていない。
ともかく
「見積もりは無料」かつ、自動車で30分程度のところなので、
頼んでみた。

賃貸用のリホームであり、
材料も最低限、みばえが悪くなければいい、
住むのも長くて4ないし6年程度、
出て行けば、またリホームしなければならないので、
とそんなことを伝えておいた。
ベニアが腐ってはがれかけたところは、
おおうように同じ大きさでおおってもらえればいい、とか。
キッチンも、最低限、そう10万円ちょっとでいいとか、
タイルについた油汚れも、
頑固なのは、しかたないので、そのままでいいとか、
天井のカビは、その部分だけ似たような色で塗ってもらえることはできないか、とか。
そんなやりとりをしながら時間の経つこと30分。
だんなは、一体どの程度の予算を考えているのですか、と問われ。
少し大きめに100万円と回答。
その他、風呂とかサッシュ戸、エアコン、給湯器などもあるので、
それも40万円以上かかるだろう。
そうなると150万に上ってしまうか・・。
それは10年暮らしてもらって、
やっと戻ってくる額になってしまう。
そもそも、
賃料を無事に払ってもらえるか、
そんなに長く住んでくれるかもわからない。

(われわれもプロですから、いったんやりはじめると、手抜きはしたくない)
(おかしな部分があると、不動産店から不完全だとつっこまれるのではないのですか)などと予期せぬ事を言い出し、
仕舞いに、通常、これくらい汚れていると300万円は最低かかるでしょう、
などと言い出した。
それを口にした段階でもうお引き取り願いたかったが、
ねばられ、
途中から不動産店も現れた。
そうして、売るにしても、立地とか、
階段の無い共同住宅は、階数もあるので、
5階など、いくらリホームにカネをかけても、
売れる額には上限があるとか、そんなことを
言ってくれたが、
あんまり汚いと、ただでも買い手がつかない、などと言い出した。
彼らに言いたいだけ言ってもらって、
午後3時すぎやっと引き取ってもらった。
どんなやりとりがあったかもう詳しいことは覚えていないが、
暗いトンネルを歩かされているような具合。
かつ、洗濯パンの設置の見積もりがきて30万円の支払い。
これにゴーサインをしてしまった。竪管交換工事と合わせて、45万円の支払いになってしまう。
この団地は、毎月の支払いも小さくないので、
こんな一時金まで要求してくる。買い手がつかないのもうなずかれる。
しかし、買い手の現れるのをまつしかない。
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