事件

平成29年になり、
発砲事件、女児惨殺、公園でのバット乱入
と松戸発の全国レベルの社会事件が立て続けに起きている。
まるで、日本中の凶悪犯がここ松戸に結集しているかのごとくではある。
その松戸市の住人となって、
はや10年になる。
本日、団地の役員が訪問して、
今月総会があるので、各戸を訪問し、出欠の可否を問うてもらいたいという依頼を受けたのだった。
そういう自分は、確かに現在
強盗?
いや号棟(ごうとう)委員なのである。
総会とは、共同住宅に住む住民にはすべて法律として課せられている集会なのである。
内容は、建物維持管理にあって工事費などの予算運営の費用について可否を決めるものである。
住民から定期的に徴収している管理費の中で
数千万円の予算の配分を巡って、質疑応答がなされる。
その予算の額は確かに高額であるが、
およその組合員(分譲住宅の住民はそのように呼ばれる)は、
会議に無関心とも言われる。
そういう自分も、共同住宅に住んで10年になるのに
出席は一度だけ、であり、
委員になったのでやむをえずの出席である。
衆目の面前に立って、ぎょうぎょうしく物をいうことは、
誰しもできるものではないし、
あまり見たくもないものだ。
まして、同じ敷地に住む住民同士でのことではある。
にらみ合いを演じて、しこりを残し、会場を跡にして、
通常の生活において、
ばったりと出会ったらどうなのであろうか・・。

そこまでいかなくとも、
演説口調で、人前ではなしをするということは、
会社で役員でもしていないかぎり、
だれでも経験するものでもない。
ともかく、自分は、何年かに一度巡ってくる末端の役員として、かけずりまわらなければならなかった。
世帯数500弱の共同住宅において、
担当分は20件なのだった。
チャイムを押すのにも、心は構えている。
単なるセールスマンにまちがえられるか、
はた、無視されるか。
さすが同じ階段の住民は、反応がよくなかった。
普段においても、
あいさつも積極的とはいえず、
やむを得ない場合を除いては、すばやく姿を消す方である。
そのせいか、チャイムを押して、
同時にモニターカメラで確認を受けて、
出てきてくれたのは10のうち2件だけ。
それもしぶめのおじさん?
(こんな言い方失礼か)
「こんにちは。●●室の●でございます。今週の日曜日、団地の総会が予定されております。その出欠の用紙を受け取りに伺いました。」
などと、扉の向こうの人物に向かってはなす。
その途中で扉を開けてくれる方もいれば、そうでない人もいる。だいたいは開けてもらえた。
そうして、総会の資料冊子を提示して、
切り取り線のある出欠用紙をみせながら、
「こちらをいただきたいのです」
などという。
勝手がわかっても、見知らぬ小生をまじまじみて、
(あんた、だれ)という表情をされることもある。
普段みかけても、
まじかに見合うなどということもないのだった。
また、遠くから見かけるのと、
まじかで話をするのと、まったく人間の顔は別様の表情となるものだった。
幸い?にも半分は留守だった。
そのときはやりとりもなく、
(出欠票提出を催促する)用紙を扉の受け口に入れるだけで
すむ。
離れた階段に至っては何人か反応して、
扉を開けてくれたけれど、
すべからく、「初対面」の人ばかりであった。
目と鼻の先に暮らしているので姿は何度と無く見かけているはずなのだが、
本当に、はじめての人たちばかり。
そうして、時間帯のせいばかりだが、
結構な年配者ばかりであった。
その一人は、上品な感じの婦人で、
「出席の予定ですが、最近、体調がよくなく、実際に出席できるかどうかわかりません」
などと丁寧にもおっしゃってくれた。
それを言わなくとも、
もう、姿をみれば、立っているのもやっとという感じであった。自分は、横向きになったまま聞いていたり、
どこか忙しそうに振る舞い落ち着かない姿勢をとっていたりしたので、反省すべき点も残ったのだが、
ま、意外にも、扉を開けてくれた住民は、
だれもイヤな顔をせず、
やさしく対応してもらえたので、やってよかったと思っている。おどおどとしたモノの言い方ではかったが、
怪訝な態度をされず、
役目を授かったことに感謝さえしているのだった。
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